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 基礎技術テーマ:モデリング講座その1
 車のモデリング方法・1 スバル360 (記事記載:2007年4月9日)
 
 モデリングの方法には、色んなアプローチの仕方があります。
 この記事を読んで下さる方が、CGを始めたばかりの方なのか、かなりの経験者なのか分かりませんが、なるべく簡潔に書きます。
 3DCGソフトはライトウェーブを使用していますが、他の3DCGソフトでも同様の機能があるので制作過程に大きな差は無いでしょう。
 ただし、ポリゴンベースのモデリングに限ります。また、同じように制作が可能なように、特殊なプラグインの使用は極力避けます。
 
 今回は、最も単純な作成方法、ボックス(箱)型からモデリングしていく方法について書きます。
 
 
 
 ①車をモデリングするには、まず
車の三面図を用意しましょう
  最近の車だと収集しやすいのですが、古い車や特殊な車だと難しい場合も多々あります。
  スバル360をモデリングするに辺り、色んな雑誌から写真を集めました。残念ながらトップビュー(上からの図)は見つかりませんでした。
  写真は、設計図面と違い、カメラのレンズのゆがみがあるのでフォトショップなどで修正(※レンズ補正など)をしておくとグッドです。
  三面図を用意したら、3Dソフトに読み込んで、
トップ、フロント、サイドの背景にスケールを揃えて並べます。イメージは、上の図です。
 
 
 
 ②次に、全幅、全長に合うようにボックスを作成します。
 
 
 
 ③ボックスを作ったら、分割ツールやナイフツール等を使って、フロント・ボンネットの位置でボックスを分割します。
  次に、ボックスの後ろの上面を押し出します。押し出したら、フロントウィンドウとバックウィンドウの位置を大まかに移動します。
 
 
 
 ④次は、大まかに形を整えます。
  分割ツール、ナイフツール、ベベルツールなどのツールを用いて、背景の三面図に合うよう大雑把に形を整えています。
  この段階で大切なのは、
ボディの流れを意識してモデリングしていく事です。
  大雑把な形が整ったら、ポイント位置を移動してより背景図の形に近づくように動かします。
  最も手間がかかる部分ですが、ここは忍耐強くコツコツ作業する部分です。
  細分化してからだとポイント数が増えすぎて、ポイントのコントロールが難しくなりますので、ここで手を抜かないようにしましょう。
 
 
 
 ⑤
大まかな形が整ったら、サーフェス名を設定していきます。ボディ、窓ガラスなど、部位ごとにサーフェス名を設定します。
  細分化後にサーフェス名を付けると、ポリゴンが増え過ぎて設定がたいへんなので、サーフェス名設定はこの段階より前にしましょう。
  サーフェス名の設定が終わったら、細分化を実行します。これで、だいたい大まかな形が出来上がりました。
  次は、細かな部位の作り込みに入ります。エアベントやライト用の穴などは、ブーリアンルやドリルツール等で穴を開けていきます。
  ボンネットやドアなどのラインはマッピングでも可能ですが、今回はバンドソーツール等を使って細分化しモデリングで処理しました。
 
 
 
 ⑥外装が整ったら、
内装や細かいパーツの作成に入ります
  ボディの内側は、ボディをコピーして、サーフェス面を反転し、押し出して作ります。
  椅子は、ボックスを作成して、押し出しツールやベベルツールを作成して作ります。ダッシュボードも同様です。
  ハンドルは、ディスクを作り、回転体ツールを使って作ります。
  ワイパー、ドアハンドル、サイドミラー、バットミラー、ライト、バンパーなどのパーツも、
  ボックスやディスクを作成し、押し出したり、曲げたりしながら作っています。
  (※ここで一つ一つのパーツの作り方を詳述するとあまりに長くなるので、今回は省略させていただき別の機会に述べます)。
 
 
 
 ⑦ライトやウィンカーはディスクを作成して、押し出しツールやベベルツールで作ります。
  今回は、超リアルなモデリングを目指しているわけではないので、ライトの精密モデリングはせずマッピング処理で表現しました。
  自宅の車のライトを、デジカメで撮影して貼り付けても良いです(※僕は日頃から色んな車や車の画像素材をストックしています)。
  タイヤとホイールはディスクツールでシリンダー型を作成し、押し出しツールやベベルツールで形を整えてます。
  (※この辺の細かなパーツ作りに関しては、別の機会に述べたいと思います)。
 
 
 
 ⑧スバルのロゴマークのモデリングも忘れてはいけません。
  パイプをベンドして作った輪(※もしくは回転体ツールで作成した輪)に、直線のパイプと星のオブジェクトを配置して作成。
 
 
 
 ⑨こうして完成したのが、上の図のスバル360のCGモデリングです。
  単純な"ボックス"型からでも、これだけの形に持って行くことができます。
 
 
 
 ⑩せっかくなので、色違いのスバル360も作りました(※この色が僕のスバル360のイメージカラーです)。
 
 
 
 ⑪完成したCGモデリングデータをシーンの中に置いてレンダリングしたのが、上の画像です。
  (ライティングや合成処理は今回のTIPSの主旨ではないので省きます)。
 
 以上が、一個のボックスから車をモデリングする方法の一つです。次回は、別のアプローチのモデリング方法を取り上げます。