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 基礎技術テーマ:マッピングの基本    (記事記載:2008年3月21日)
 
 さて、昨年オブジェクトのモデリングについての考え方、基本的なモデリングのアプローチ方法を学びました。
 今回は、オブジェクトへのテクスチャーのマッピング方法について学んでいきたいと思います。
 マッピングとは、モデリングしたオブジェクトに画像(テクスチャー)を貼り込む事を言います。
 色や光の拡散、反射やバンプ等の表面情報に、画像情報を加えることで、より豊かなオブジェクトの質感を表現できます。
 
 まず、マッピングする画像を用意します。今回は、サンプルとして当工房の下記のロゴ画像を用います。
 
 
 
 
①平面状マッピング
  ←適用例/フラッグ
 
 板状の平面や、オブジェクトのある一面等に画像を貼り込むマッピング方法です。
 国旗を作成したり、看板を作成する際などに良く用いられます。
 他に、飛行機の翼にロゴを貼り付けたり、テレビ画面に画像をはめ込んだり、と様々な応用方法があります。
 
 
 
②立方体状マッピング
  
←適用例/ビルディングの窓
 
 その名の通り、箱型(キュービック、ボックス)のオブジェクトに画像を貼り付ける方法です。
 使い方の代表例として、ビルディングの窓、家の壁等が挙げられます。
 上の画像では、すべての面に同じ画像を貼り付けていますが、各面に別々の画像を貼り込む事も可能です。
 
 
 
③円柱状マッピング
  
←適用例/ビール缶
 
 シリンダー状のオブジェクトに画像を貼り込む方法です。
 使い方の代表例としては、缶ジュースやカップ麺等のラベルが挙げられます。
 
 
 
④球体状マッピング
  
←適用例/地球
 
 ボール状のオブジェクトに画像を貼り込む方法です。
 ボール、果物など、色々な物に適用できますが、最も頻繁に使用される例は、"地球"でしょう。
 
 
 
⑤フロントプロジェクション・マッピング
 
←地面オブジェクトに風景画像をフロントプロジェクション・マッピングした例
 
 この方法は、少し特殊な例です。実写の映画の技法を真似たマッピング方法で、前面からオブジェクトに画像を投影する方法です。
 2001年宇宙の旅で、実物の球体オブジェに、地球や月などの映像を投影してリアルな星の映像を撮影した事は良く知られています。
 CGもこの方法を真似て、全面から映像を投影する事で、位置ずれのないCG合成等が可能になります。
 
 
⑥画像のテクスチャへの適用方法
 
 上記の5つについては画像をどのように貼り込むのかの方法について述べています。
 一方、画像をどのテクスチャ項目に適用するかでも効果は大きく変わります。
 上の5例は、
表面カラーに"雅工房のロゴ"の画像を貼り付けています。
 他に、画像情報を使って、
表面の拡散レベル、反射光、光沢、鏡面反射率、透明度、バンプ等に影響を与える事ができます。
 例えば、画像の陰影濃度の差によって光沢のレベルを制御できます。同様に画像の濃淡によって透明度をコントロールできます。
 クリップ画像に白黒画像を適用すれば、黒(ないし白)の部分を抜く事(=表示しない事)も可能です。
 また、バンプマップに濃淡のある画像を適用する事で、オブジェクトの表面に擬似的な凸凹を与える事も可能です。
 バンプマップのような擬似的凸凹ではなく、実際にオブジェクトを変形させるにはディスプレイスメントマップに濃淡画像を適用します。
 (ソフトによる使い方の違いは、各マニュアルを参照してください)。
 
 どのような画像(テクスチャー)を用いるのか、具体的に一例を下記に示しました。
 
 
北海道のカラー画像用のテクスチャー例
 北海道の
バンプマップ用等のテクスチャー例
 北海道の
ディスプレイスメント用の等高線画像テクスチャー例
 北海道の
クリップマップ及び透明マップ用のテクスチャー例

 
※これと同様に、本州、四国、九州、諸島の画像も作成して用意します。
 
 下のCG画像は、上記の画像を適用して作成した日本列島のCG事例の1コマです。
 
 
←日本のオブジェクトに各種画像を適用した例
 
 
 さて今回はマッピングの基礎編でしたが、次回はより複雑な作業を要する"UVマッピング"の技法について学びましょう。