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 基礎技術テーマ:モデリング講座その2
 車のモデリング方法・2 ダイハツ・コペン (記事記載:2007年4月20日)
 
 前回は、比較的容易な"ボックス(箱型)"から車をモデリングする方法を述べました。
 今回は、違うアプローチのモデリング方法を紹介したいと思います。今回は、曲線ツールからモデリングする方法です。
 ダイハツコペンをモチーフに、前回よりも詳細なモデリングにチャレンジしてみましょう。少しレベルがアップします。
 
 
 
 ①スバル360の時と同様、コペンの
三面図を用意します。
  コペンは、新しい車なので資料や三面図が比較的容易に手に入りました。図面は、フォトショップ等でスケールを揃えましょう。
  三面図を3Dソフトに読み込んで、
トップ、フロント、サイドの背景にスケールを揃えて並べます。イメージは上の図です。
 
 
 
 ②前回は、スケールに合うようにボックスを作成しましたが、今回は曲線ツールで、いきなり
3次元空間上に線を引いていきます
  背景図に合うように線を描いていくのですが、多少ずれても構いません(※上図はモデリングが見やすいように背景をOFFにしました)。
  大雑把な線を描き終わったら、曲線上のポイントをずらしながら、背景図に合うように、より正確な形に整えていきます。
  3次元上に絵を描くのは慣れが必要ですが、慣れると上のように描けるようになります。
 
 
 
 ③曲線で3D空間に線を描き終わったら、ポイント同士をつないで
面を張っていきます。上の図では、四角形のポリゴンで作成しています。
  (※面の張り方はソフトウェアによって多少の違いがあると思いますが、ポリゴン化はだいたい同じような作業です)。
  今回は、
ボンネットやトランクやドアが開く車を作るので、各部位を意識して(背景図の形に合うように)モデリングします
  上の図を見ると、既にドアやボンネットの形がポリゴンで判別できる事が分かると思います。
  片面を作り終わったら、ミラーツールで反対側に反転コピーします。これで、だいたい大まかにコペンと分かる形になってきました。
  この時点で、部分別にサーフェス名を設定しておきましょう。次は、いよいよディテールの詰めに入ります。
 
 
 
 ④大まかな形が整ったら、次はディテールの詰めに入ります。
  ボディ各部を、押し出しツール、ドリルツール、ベベルツール、バンドソーツール、ナイフツール等を駆使し、整形していきます。
  ポリゴン数は全体的に少ないに超したことはありませんが、
ポリゴンを多く使うところと少なく済ませる部分のメリハリをつけます
  上の図を見ても分かるように、ポリゴン数を抑えている部分と、ポリゴン数を多く使う部分をきっちり分けています。
  特にタイヤハウスのアーチ部分等は、ポリゴン数が多い(細かい)事が分かると思います。
  ボディの裏側(※ボディの厚み)は、ボディをコピーして反転し、押し出しツールなどを使って作ります。
  形が整ったら細分化します。上の図のようになります。
 
 
 
 ⑤ヘッドライト、ウィンカー、ブレーキランプ部分等をブーリアンツール(ドリル系ツール)を使って、穴を開けます。
  穴の周りはポリゴンが破綻しないように、タイヤハウスのアーチと同様、ポリゴン数が多く使い細かい処理をしましょう。
  ディスクツールでシリンダーを作成し、ベベルツール、押し出しツール、ポイントの移動等で、ライト関係を作ります。
  ライト系の質感は、今回もマッピングで処理します(※前回も述べましたがデジカメ片手に日頃から車の素材を集めてます)。
 
 
 
 ⑥さて、作業も終盤に入ります。今回は、ボンネット、トランク、ドアが開くモデルにするので、ボディを分割します。
  今回オープンボディのコペンにするので、⑤で作った屋根は(もったいないですが)、ここではばっさりカットしました。
  
ボンネット、トランク、ドアの部分はカットして、別のレイヤーに配置します。これで、ボディ外観だけが残りました。
  ③のところで、ボンネット、トランク、ドアの部位を意識してモデリングしたのはこのためです。
 
 
 
 ⑦これが、別のレイヤーに配置したボンネット、トランク、ドアです。各パーツの裏側も、④で述べた方法で作ります。
  上の図では便宜上1枚のレイヤーに配置していますが、それぞれが個別に開くので、4つのレイヤーに別個に配置します。
 
 
 
 ⑧次は、コペン内部を作ります。今回は、エンジン等を作りこまないので、ボディの内部は大雑把です。
  ただし、オープンカーなので、コクピックは作り込みましょう。
  (※ここで個々の内装パーツの作り方を詳述するとあまりに長くなるので、次回書きます)。
 
 
 
 ⑨タイヤは、ディスクツールでシリンダーを作り、押し出しツール、ベベルツール等を使って作ります。
  アルミホイールは、直径の短いシリンダーを作って押し出しツール、ベベルツールなどで上記のように作成します。
  (※細かなパーツ作りに関しては、別の機会に述べたいと思います)。
 
 
 
 ⑩こうして完成したコペンのモデリングデータを、三面図で見ると上のようになります。
 
 
 
 ⑪ナンバープレートをくっつけた"ダイハツ・コペン"です。
 
 
 
 ⑫完成したCGモデリングデータをシーンの中に置いてレンダリングしたのが、上の画像です。
  (ライティングや合成処理は今回のTIPSの主旨ではないので省きます)。
 
 以上が、曲線から車をモデリングする方法の一つです。次回は、車の内装をモデリングしてみましょう。