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 基礎技術テーマ:モデリング講座その5
 キャラクターのモデリング・1 プリミティブ・オブジェクトを組み合わせたキャラ/熊 (記事記載:2007年5月25日)
 
 今回からは、キャラクターのモデリングに挑戦していきましょう。
 メカと違ってキャラクターのモデリングは、より有機的なモデリングが必要となります。
 
 初回ですので、手始めに"プリミティブ・オブジェクト"を組み合わせたキャラクターを作成してみましょう。
 
 プリミティブ・オブジェクトと言うのは、立方体、円柱、球体など3DCGモデリングにおける最も基本的なオブジェクトです。
 CG創生期は(マシンやソフトの容量・機能・速度の限界もあり)、プリミティブ・オブジェクトの組み合わせキャラクターが存在しました。
 
現在のCG制作で、プリミティブ・オブジェクトを組み合わせたキャラクターと言うのは、よほど"狙った場合"でもない限り無いでしょう。
 
 今回はキャラクター制作の初回と言う事で、敢えてこのプリミティブ・オブジェクトによるキャラクター作成で、腕慣らしをしましょう。
 
 
 
 ①さて、今回は"可愛いクマの人形"を作ってみたいと思います。
  プリミティブ・オブジェクトの一つ"球体"を作ります。
  次に、口先部分を作ります。右図のような、顔よりも小さな楕円形の球体を一つ作ります。
  両方のオブジェクトに、それぞれサーフェス名を付ける事を忘れずに。
 
 
 
 ②二つの球体を組み合わせると、上図のようになります。これで顔のベースができました。
  小さな球体で鼻と目を作って、この顔ベースに貼り付けます。目は、一つ作って鏡面(対称)コピーでOK。
  たったこれだけの工程で、もう顔っぽくなってきました。目と鼻にも、それぞれ別のサーフェス名を付ける事を忘れずに。
 
 
 
 ③次は、耳の作成に入ります。平べったい楕円形の球体を一つ作ります。
  耳のサーフェス名を付けたら、耳の中央部分のポリゴンを選択して別のサーフェス名を付けます。これで、耳のベースができました。
  これを鏡面(対称)コピーをします。左右の耳ができました。この耳を顔のベースに合成すると、右図のような顔が完成します。
 
 
 
 ④顔が出来たら、体を作成します。やや楕円形の球体を一つ作成し、体のサーフェス名を付けます。
  尻尾用の小さな球体を一つ作って、それを体に合成します。
 
 
 
 ⑤次は、手と足を作ります。腕、手の平、指、すべて楕円形の球体で作ります。脚と足も同様に作ります。
  サーフェス名を付け、手の平部分と足裏部分のポリゴンを選択し、別のサーフェス名を付けます。
  この手と足を鏡面(対称)コピーして、手と足が完成しました。
 
 
 
 ⑥完成した顔、体、手、足をすべて組み合わせたキャラクターが、上の図です。
  ドリルや変形などのツールを一切使わず、すべて球体系のプリミティブ・オブジェクトだけで構成したキャラクターです。
  作成開始から完了まで、作業時間たった"5分"の超シンプルキャラですが、一応キャラクターとして成立しています。
  作成上の留意点は、各パーツの大きさと位置に注意を払う事です
(※大きさや位置が少し異なるだけで雰囲気が変わります)。
 
 
 
 ⑦完成したモデリングデータにライティングを施し、ファー(毛皮)のプラグインを適用してレンダリングしたのが上図です。
  (ファーの設定やライティングは、今回のTIPSの主旨ではないので省きます)。
 
 さて、腕慣らしが終わったところで、次回から、もう少し複雑で色々なツールを使用したキャラクター作成に入ります。