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 基礎技術テーマ:モデリング講座その6
 キャラクターのモデリング・2 ツールを駆使してキャラを作る/爺さんキャラ (記事記載:2007年6月8日)
 
 前回、腕慣らしでプリミティブ・オブジェクトだけを組み合わせて、クマのキャラクターを作りました。
 今回は、いくつかのツールを駆使して、前回のクマよりはもう少し複雑なキャラクター・モデリングにチャレンジします。
 お爺さんキャラをモチーフに、モデリングしてみましょう。
 (※下の説明では逐一説明していませんが、左右対称系のモデリングは、すべて
片面を作ってミラーコピーすればOKです)
 
 
 
 ①車のモデリングのところでも述べましたが、モデリングには色んなアプローチ方法があります。今回は、シンプルに直方体から始めましょう。
  各面3分割ずつされた直方体を作ります(左側画像)。これが顔のベースになります。この段階で、顔のサーフェス名を付けておきましょう。
  これを
サブ・パッチ化して、ナーブスの曲面に変換(中央画像/サブ・パッチ機能の無いソフトならポイントを楕円形状になるように移動)。
  顔の正面中央真中のポリゴンを選択し
押し出しツールで押し出す(1)。押し出した部分の下を選択し、そこも押し出し(2)ます(右側画像)。
 
 
 
 ②口の部分のポリゴンを選択し、口の内部のサーフェス名を付けます(左側画像)。
  その部分を、顔の内部に
押し出しツールやベベルツールなどで押し込み、口の内部を作成します(中央画像)。
  
ポリゴンを分割して、細かい作業に移ります。顔の側面の一部のポリゴンを選択し押し出し、耳のベースを作ります(右側画像)。
 
 
 
 ③ポリゴンを再びサブ・パッチ化します。ディテールの詰めに入ります。
口の周りの線や皺を表現するため、丁寧にポイントを移動します。
  皺の部分は、渓谷のように凹んでいるので、周囲よりポリゴンが細かく密集するようになります。
  口の周りと口内部の境界部分のポリゴン処理も重要です。口の内部と外部は、しっかり分けるようにポリゴンを細かに配置します。
  
口はしゃべる時に変形の度合いが大きいので、丁寧に作りこんでおかないと、しゃべる時にポリゴンがくい込んだりして破綻します。
  耳の形も整えましょう。また、髪の毛の生える部分には、髪の毛のサーフェス名を付けましょう。
 
 
 
 ④顔のベースの完成後、しゃべるアニメ用モーフィングターゲットに、
"あ"、"い"、"う"、"え"、"お"等の口の形もモデリングします。
  上の画像3点は、その一部です。しゃべる時は、口だけでなく周辺のポリゴン(※筋肉)も口の動きに伴って移動する事に注意。
 
 
 
 ⑤直方体から加工して作った"眉毛"と、球体で作った"眼"を配置したのが上の画像です。これで顔のベースは、完成です。
 
 
 
 ⑥次に体を作成します。これも直方体から作ってみましょう。
  各面三分割された直方体を作り、
"腕"と"脚"になる部分のポリゴンを選択して、押し出しツールで押し出します(左側画像)。
  体を整えるため、
ポリゴンを丁寧に移動します。腰や腕や脚の関節部分のため、要所要所をナイフツールで刻みます(中央画像)。
  その後、ポイントを移動して大まかな形が整ったら、細分化します(右側画像)。これで、ほぼ体が完成しました。
 
 
 

 

 
  蝶タイ
 
 ⑦次に、手、足(靴)、蝶ネクタイを作ります。今回はすべて直方体から加工し、かなりシンプルに仕上げました。
  手は、上段左図のような直方体を作り、
5本の指部分のポリゴンを選択し押し出し、ナイフツールで関節部分を刻みます
  足(靴)は、中段左図のような直方体を作り
ポイント移動やサッブパッチやベベル(or押し出し)等で靴の形に整えます。
  蝶タイは、直方体3つを並べ、ポイントの移動などで形をタイに近づけ(下段左図)、蝶タイの形に仕上げていきます。
 
 
 
 ⑧体に、足や手、蝶ネクタイを付けて、体のベースが完成です(左側画像)。
シャツやズボンのベルトは、すべてマッピング処理です。
  (※マッピング画像作成は今回のTIPSの主旨ではないので、別の機会に作成方法を述べたいと思います)。
  中央の画像は、
アニメーション用のボーン(骨)です。(※これは簡易ですが、動きによってはもっと複雑なボーンを作成します)。
  完成した顔のベースと体のベースを組み合わせたのが、右の画像です。
 
 
 
 ⑨完成したモデリングデータにライティングを施し、ファーのプラグインを毛髪と眉毛に適用してレンダリングしたのが上図です。
  (ファーの設定やライティングは、今回のTIPSの主旨ではないので省きます)。
 
 さて、次回はより高い技術レベルが要求される"人間の顔"に挑戦しましょう!