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画像生成Ai研究   (記事記載:2024年 4月26日)


CGIを利用した技術は流行り廃りがあって、時代に追いつくために高価なソフトウエアを買って必死に技術を習得したと思えば、あっという間にブームは去り、投じたお金と時間そして苦労して手に入れた技術と経験が活かせなくなります。
10年ほど前に流行ったアレやコレやは今いずこに・・そんな経験を数多く体験して、今日に至っております(笑)。
で、今デジタル画像制作界隈での最大の話題&関心と言えば、間違いなく「画像生成Ai」技術でしょう。
SNSでは頻繁に見られるようになりましたね、Ai生成画像。
下の画像をご覧ください。自分自身の画像を素材として使用し、「ゴリラ」「紳士」「スーツ」と言うたった3つのプロンプト(※文字情報のこと)を入力し、僅か1分ほどで生成した画像3点です。



面白いですよね。こんな画像が簡単に作れてしまいます。
これを自分でCGで加工して、同じ様なものを3点作れと言われたら、確実に数時間はかかってしまうでしょう。
自分のサイトにアップしたりSNSに投稿したりと、遊びで使う分には面白いですが、仕事で使うとなると話しは全く別です。
費用、安全性、著作権、クライアントの要望に対する精度など、様々な問題があります。
このページでは、生成Aiに関する種々の問題を考えてみましょう。

⇒Ai生成画像アルバムはこちらからご覧くださいませ。順次、Ai生成画像をUPいたします♪


1.画像生成Aiとは何か?どのような物が作れるのか?

もはや説明は必要は無いと思いますが、画像生成Aiとは、Ai(Artificial intelligence=人工知能)を利用して画像を生成する技術の事です。
今や数多くのアプリ(※ソフトウエア)ないしクラウドサービスが世に出ていて、スマホでサクッと作れるものから、PC上で細かく作業できるものまで種々あります(実はこの手の元祖となるようなソフトウエアは20年位前から色々あって、自動で素晴らしいロゴ等を自動的に簡単に生成してくれるソフトや特定の3Dオブジェクトを自動的に作成してくれるプラグイン等は存在しました。OSが変わって現在は完全に使用出来なくなりましたが)。

画が描けない人やCG技術とは無縁な人であっても、文字を入力するだけで画像が作れてしまう技術なので、活用の幅が広がっております。
このページでは安全性が確保されているアドビの画像生成Aiを使用しています(※有料のクラウド版です)。
一例として、簡単な画像を生成してみました。
「リビングルームの」「ソファーで」「くつろいでいる鮫」このつの文字情報で作成したのが、下記の画像です。確かに鮫がソファーでくつろいでいます。
画が描けなくても、CGソフトが使えなくても、文字入力だけで画像を生成できる。これが画像生成Aiの凄い所です。




2.どのようなアプリ(サービス)があるのか?(および著作権について)

現在数多くの画像生成アプリ(ないしサービス)が出ており、一つ一つの種々安全性(※1)は確認できませんので(紹介による責任は持てませんので)、残念ですがここでは個別ごとの具体的なサービス名やリンクの紹介はいたしません(後ほど一つだけ紹介しておきます)。
(※1:アプリのダウンロード及びサイトへのアクセス時の安全性、特に個人情報の抜き取りや情報漏洩などの問題、著作物利用の問題など)。
アプリは、無料版から有料版まで、また商用利用可能のものから不可のものなどあります。
一般的な汎用アプリ(サービス)のごく一部を簡潔に一覧表にします。

サービス
費用 無料 無料/有料
無料 有料
商用利用 不可/可 不可
生成枚数 無制限 制限有り
制限有り 制限無し

この表ように、無料版・有料版、商用利用可・不可、枚数制限有り・無しなど、生成サービス毎に異なります。
有料の場合は、上記の例では月額10ドル~15ドル前後からありますが、サービスの中には月額100ドルを超える高額なサービスもありますので、料金体系を良く調べてから利用しましょう。
商用利用が不可と言う事は、生成した画像は個人で楽しむ目的に限定されると言うことですので、顧客等に成果物として販売できないと言う事ですので注意が必要です。また、一日に15枚や20枚と行った制限があるサービスも、大量に制作が必要な場合は注意が必要です。

個別のサービス紹介はしませんと書きましたが、一つだけ紹介しておきます。
Microsoftの「Bing Image Creater」は紹介しても問題ないでしょう。
Micrisoftのアカウントがあれば利用でき、かつ無料ですので生成画像Aiを体験するには良いと思います。
ただし利用するのであれば、個人の責任でお願いします
(※2)
また生成された画像の商用利用は(この記事を書いている時点では)「不可」ですので、販売も商売目的利用にも使えません。

(※2:当工房は、原則としてCGソフトウエアは正規代理店ないし開発会社から直接購入および契約しております。無料・有料問わずネットから新規にソフトウエアをダウンロードする場合は、まず開発元会社の過去の実績や業績、評判など会社情報を調べます。現役社員や元会社員の口コミ情報があればそれも調べます。有象無象の種々ソフトウエアが氾濫する現代、信用情報が確保できない会社の開発したものは、例え面白い有益なソフトウエアであっても当工房は使用をいたしません)

著作権について
著作権の問題も、念のため触れておきます。
クリエータの創作物は、ネットや新聞、雑誌など公開(公に開示)した時点で著作権が生じます。
これを他者が創作者(著作権者)の了承を得ずに、勝手に自身の作品としたり加工して作品に取り込むことは著作権侵害となります。
写真も、著作権法第10条8項で著作物として認められております。著作権は撮影者が有します。
ですので、撮影者の許可なく自身の作品に取り入れて加工したり利用することは著作権侵害となります。
他人の創作物や撮影した写真を使った場合は、著作権の侵害として
10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金などの思い刑罰が定められています。企業などが著作権を侵害した場合は、更に重い罰則が定められ3億円以下の罰金となります。
自身の判断であれ、生成サービスが自動的に行うものであれ、著作権侵害は絶対に避けねばなりません。
画像の著作権の安全性の確認が取れないアプリやサービスは使用すべきではないでしょう。


3.どのような画像が生成できるのか?

汎用の各々のアプリ(ないしサービス)には、それぞれ得意・不得意の分野があるものがあります。
シンプルなイラスト作成、デフォルメ調のキャラクター系、3Dアート系、リアル系、写真系など様々です。

私がこのページで例示用に使用しているアドビの生成画像Ai(有料)は、比較的オールマイティで、様々なフィルターを適用できますので、
「海の中で」「泳ぐ」「鮫」の2つのプロンプト(文字)に、それぞれ適当な複数のフィルターを適用した画像を下記に例示します。



数十枚も生成した多くのバリエーションの「鮫」から、分かりやすい4枚を選んで並べました。
イラスト風、絵画風、写実風(ほぼ写真レベル)など色々生成可能で、かつ絵画風1つ取っても様々なテイストの画像を生成できます。
手描きや通常の3DCGないし2DCGイラストでは(これらと同じような画像を作るのは不可能ではありませんが)、時間的・コスト的に非現実的です。


4.再生された画像の精度はどの程度か?

自分のサイトやSNSに掲載する面白い「お遊び画像」の類は兎も角として、商売で使用する・・具体的にはクライアントの要望を正確に画像として形にするには、まだ画像生成aiではハードルは高いと言えます。
商用利用可能な他の多くの汎用の画像生成Aiアプリないしサービスは使用していないので断言は難しいですが、例えば3面図から正確に3DCGモデリングをしてシーンを作成して画像をレンダリングしたり、クライアントの要望する物を全て網羅した画像を生成するには、文字情報だけでは無理でしょう(もっともそれが可能になったら我々デジタルクリエータはみんな失業ですが・・笑)。
今から10年前に、当工房のマスコットキャラクターのミヤビーと愛犬のi-nuをデザインして3DCG化しましたが、敢えて画像生成Aiで雅工房のロボットキャラクター生成に挑戦させてみました。


10年前にデザインしたミヤビーとi-nu

何十ものプロンプト(文字)を入れ替え、私の望むようなキャラクター生成に近づくようにチャレンジしましたが、結果は下記の通りです。



数多くのロボットを生成しましたが、最も近いのが上記のロボットです。カッコ良いとは思いますが、私の求めていた物にはなりませんでした。
Aiが考える「愛犬のi-nu」の方はなかなか良いですが、Aiが考える「ミヤビー」は少し恐いですし、わが工房の愛嬌のある愛すべきマスコットキャラクターに相応しいかどうかは疑問です(笑)。

もう一例。
近所に懇意にさせていただいている「蔵のあるお店・よろずキッチン恵登屋」を、何十と言うプロンプト(文字)を入れ替えてAiに生成させましたが、山ほどできあがった数々のお店はどれも似て非なるものばかりでした。


左:実際の「蔵のあるお店・よろずキッチン恵登屋」/右:Aiが考える「蔵のあるお店・よろずキッチン恵登屋」

この蔵のあるお店をCG画像で正確に再現するのは、現地の地図や建物の図面や写真などが必要で、それを基に作成する必要があります。
それはもはや自動生成Ai画像でなくて、通常の3DCG制作です(下記画像です)。


3DCGでモデリング&レンダリングした「よろずキッチン恵登屋」

もっと言うと、Ai自動作成で試行錯誤するよりも実際の写真をCG風に加工した方がてっとり速くて正確!と言う話しです。


お店の写真をCGでイラスト風に加工した「よろずキッチン恵登屋」

さて、話しが少々脇にずれましたが、一般的なコスパの優れた現時点での汎用画像生成Aiでは、
①雰囲気物の風景や建物やキャラクターなどのイメージ画像は作りやすい。
②図面から起こすような正確さ・緻密さが求められる3DCG画像などは対応できない。

画像生成Aiの進化の速度は早いので、汎用のアプリないしサービスでも更に凄い画像が作れる日が遠からず訪れると思いますが、これが現段階の大雑把なAiの現状と行ったところかと思います。

※5月2日追記:ロードバイクをAiで画像生成してみました。
自転車乗りなのでロードバイクを生成してみましたが、ジオメトリーはひどいし、チェーン、ペダル、スポーク、コンポーネンツなど滅茶苦茶です!(笑)
現段階の画像生成Aiだと、正確さ・綿密さ・詳細さが求められる画像は、まだまだ難しいようです。



こちらは、私が3DCGでモデリングやシーン作成からレンダリングまで、時間と手間をかけて制作したロードバイクです。
正確さ・詳細さが求められる画像については、Ai生成画像とクリエータ制作画像ではまだまだ大きな差があります。





5.最後に

画像生成Aiについてあれやこれやと書いてきましたが、私も画像生成Aiの探求を始めたばかりでAi画像生成の全体像を網羅している訳ではありませんし、Ai生成画像を否定している訳でもありません。正直面白いので、開始して僅かな期間で既に数百枚ものAi画像を作成しております(笑)。自分の作品のテイスト(画風)とは全く違うので、決して「自分の作品」とは思いませんが(笑)。
現段階で仕事(商売)にAi画像を使用する気はありませんが、アイディアの参考にはなるのではないかと思っています。
デジタル技術は秒針分歩で、「流行ったものは直ぐに廃れてしまう」と冒頭で書きましたが、自分のデジタルワークの本流・中心・柱はあくまで3DCG制作であると肝に命じて、これからも進んでまいります。

最後に、aiが考える「CG制作の雅工房のワークルーム」を掲載してこのページを締めさせていただきます。


Aiが考える「CG制作の雅工房ワークルーム」・・・こんな牧歌的じゃありませんからぁ!


Aiが考える「CG制作の雅工房ワークルーム」・・・こんなオサレじゃないですからぁ!


Aiが考える「CG制作の雅工房ワークルーム」・・・こんな広くないですからぁ!


Aiが考える「CG制作の雅工房ワークルーム」・・・こんな都会じゃありませんからぁ!て言うか、日本です~!