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 新"Light Wave 3D"への対応3:モーション機能編2 サイクリスト (記事記載:2020年 2月14日)
 
 
このコーナーは、"Light Wave 3D"限定のヒント用にオープンしました。
 僕も長年 Light Wave ユーザーですが、他の3DCGソフトと比べて、情報はホントに少ないです。
 日本語表記はとても少なく、ググって出てくる情報はほとんど英語を初めとする外国語の情報ばかりです。
 そんな状況なので、LightWaveに関する情報を求めている方々は多いのではないかと思い、
 日本の"LightWave 3D"ユーザーのためにこのコーナーを設けました。
 とは言っても、私はCG専門学校講師でもないし、そうそう暇でもないので、手取り足取りの詳細リファレンスは作れませんので、
 制作のキーポイントのみ記載します。細かい点は、色々試行錯誤で探ってくださいませ。

 

 モーション機能編2:サイクリスト機能を利用してタイヤを自動的に回転させる
 
 更なるハイエンドソフト化に向けて、大きく進化した(設計思想が変わった)LightWave3Dに慣れるシリーズ3回目。
 前回は、レイキャストジオメトリ・ノードを使用して、4WD車がデコボコ道に自動的に追従するシーンを作りました。
 (※⇒前回の記事はこちら!)。今回は、更に一歩推し進めて、タイヤが走行距離に応じて自動的に回転するシーンを構築します。
 
 
 Ⅰ.サイクリストの設定
 

 前回使用した4WD車両のモデリングデータを今回も使います。
 タイヤが自動車の走行距離に応じて正しく回転するモーションを設定するため、サイクリストと言うモディファイヤを使用します。
 回転させたいタイヤを選んだら、10フレームにBank回転に360度を入力します。(キーは10フレームでなくてもどこでも良いです)。
 これで、0フレームから10フレームで、タイヤが一回転するアニメができました。後で、この設定を使用します。
 そのタイヤを選択したまま、「セットアップタブ」の「モーションメニュー」から「モーションオプション」を選びます(※もしくはmキー)。
 モーションパネルが開いたら、「IKとモディファイヤ」タグの「モディファイヤ追加」から
「サイクリスト」を選びます。
 
 
 
 サイクリストの編集プロパティパネルを「編集」から開きます。(※ダブルクリックでも開けます)。
 順序立てて、設定していきましょう。
 
 
 
 ①まずは、タイヤはBank回転だけさせたいので、BのみON(有効)にします。
 
 ②次にサイクルフレームの設定です。先ほど10フレームで1回転するようキーフレームを打ったので、「0」から「10」を入力。
  (5フレームでキーを打った人は5フレームで、30フレームでキーを打った人は30フレームをそれぞれ入力します)。
 
 ③サイクルコントローラですが、車を移動させる親アイテムを選択してください。
  車体オブジェクトかもしれませんし、Nullオブジェクトかもしれません。今回は、Car_Nullに設定しています。
  この設定は、タイヤの回転が、どのアイテムの移動に追従するかを定めるためのものです。
  今回、車はX軸方向への移動ですので、「位置X」を選択してください。
 
 ④
コントローラの範囲は、リファレンスマニュアルを読んでも、多くの人には分かりにくく、おそらく理解できないと思います。
  なので、具体例を挙げて書きます。
  今回は、サイクルコントローラに指定したアイテム(車両やNUll)が、どれだけ進むとタイヤが1回転するかの設定です。
  タイヤが一回転で進む距離は、「タイヤの直径×約3.14」です。今回は、X軸のマイナス方向に動くので「-」になります。
  LightWave3Dは、数字でなく計算式を直接代入できますので、計算機を片手に入力する必要はありません。
  今回のタイヤの直系は80cmですので、数式は次の式になります。「-0.8*3.14」。これを入力すると「-2.512」と返してくれます。
 
  
 
 ⑤「終了の振る舞い」は、アイテムが移動し続ける限りタイヤに回転してほしいので「繰り返し」を選びます。
  これで、アイテムが-2.512m進むと、タイヤが自動的に360度回転する設定が完成です。
 
 これらの、設定をタイヤ4本すべてに行います。
 これで車体が進んだ距離だけ、きちんとタイヤが自動的に回転するようになりました。
 2.512m進めば1回転、13m進めば5.175回転・・・と言う風に距離に応じて自動的に回転します。
 前進しても、後退しても、移動した距離だけタイヤの回転が、自動的にきちんと追従します。下記は、そのGIFアニメです。
 
 
 
 
 
Ⅱ.タイヤの自動回転を凸凹道を走る4WDに適用する
 
 このサイクリストを使用したタイヤの自動回転を、前回作成した「凸凹道を走る4WD車アニメ」に適用してみましょう。
 (※⇒前回の解説はこちらです)。
 方法は、上記で説明した方法と全く一緒です。ただ一点だけ気をつける点があるとすれば、サイクルコントローラです。
 今回はCar_Nullですが、デコボコ道の4WD走行シーンはCar_Nullにはレイキャストジオメトリ機能を担わせており、
 さらに一つAll_Nullを追加して、それに車体の移動を担わせているので、サイクルコントローラにはそれを指定します。
 4本のタイヤ全てにこの設定を適用すればシーンの完成です。
 
 
 
 前回の「レイキャストジオメトリノード」、そして今回の「サイクリスト」の2つのモーション機能を使用した「凸凹道を走破する4WD車」
 のアニメはこちらです。今回はレンダリングに時間がかかりましたが、タイヤの回転を分かりやすくするため、モーションブラーをかけています。
 
 
 
 

 いかかでしたでしょうか。LightWave3Dのモーション機能を使えば、自動的にアイテムの動きを制御できます。
 今回は、2つだけモーションオプション(モディファイヤ)を紹介しましたが、他にもたくさんのモーションオプションがあります。
 チャレンジしてみてくださいね。